氷の世界

雲が空を覆うと文字通り真っ白な世界になり、自分のきた道を簡単に失いそうになる。そんなノルウェーの雪原にジャコウウシはいる。マンモスと同じ時代を生きた彼らは今、温暖化によって苦しい時期を過ごしている。哺乳類で最も長い体毛を持つ彼らは極寒の中で生きてきた。しかし温暖化で冬の雨が増えたせいで雪の下の植物は氷に覆われ、食料にアクセスできず餓死したり、未熟児として生まれてくる割合が増えている。濡れた体毛を乾かすことができず低体温症で死ぬ個体もいるそうだ。そんな氷の世界で生きるジャコウウシを二日間撮影した。